人と会うのが面倒に感じる、次の約束が煩わしい、もしかしたら自分は人間嫌いではないだろうか。そう感じている人は、実はたくさんいらっしゃいます。人間嫌いというと、どこか特殊なことのように感じますが、実は誰でもなりうるものなのです。
自分は人間嫌いだから、友人も恋人もできることはないだろうと思い込まず、何故人間嫌いが引き起こされているのか、そのメカニズムを知り外への一歩を踏み出していきましょう。
人間嫌いになる理由
人は、生まれてからずっと人間嫌いというわけではありません。生まれた時はお母さんを求めますし、遊んでもらうと喜んで笑いもします。つまり、人間は、もともと人が好きな状態で生まれてきているのです。しかしさまざまな要因からいつしか人間嫌いに陥り、人とのコミュニケーションがうまく取れなくなってしまうことがあります。何が原因で人間嫌いは引き起こされてしまうのでしょうか、ひとつひとつ見ていきましょう。
深く傷ついた経験
人は深く傷つけられると、もう二度と同じことを体験したくないと防御態勢に入ります。その傷が深いほど、癒えるのに時間が掛かり人との距離を縮めることができなくなってしまいます。親友に裏切られたり、好きな恋人に浮気をされていたりしたなど、苦い経験があればあるほど、自分を殻で閉じ込めてこれ以上傷つかないようにしてしまいます。 この場合、傷を癒すことも大切ですが、徐々に硬い殻を薄くしていく作業が必要になります。世の中の全ての人が、自分を傷つけた人と同じというわけではありません。あなたの傷を理解し、寄り添ってくれる相手は必ずいるので、人間嫌いになったと決めつけず、徐々に殻を取り除いていけるようにしましょう。
もともと人付き合いが苦手
人間嫌いとなってしまった人は、大なり小なり苦い経験をしているという部分があります。幼い頃から人付き合いが苦手という方も、何か些細な苦い経験があったはずです。良かれと思ってやったことが、相手から避難されたり、仲間はずれにされたりした経験などがあると、人と距離を保とうとしてしまいます。 人に必要以上に近づこうとしなければ、攻撃されて嫌な思いをされることもないため、大人になってからも一定の距離感を保ち続けているのです。小さな蓄積が、人付き合いへの苦手さをより増幅させていると言えるでしょう。
完璧主義者
自分自身に厳しいタイプの方も、人間嫌いになりやすい傾向にあります。100%相手の期待に応えようとするあまり、必要以上に気を使うため、ぐったりと疲れ果ててしまうのです。自分ならできるはずと鞭を打ってまで応えようとする完璧さが、人との距離を作り始めてしまいます。 逆に言えば、相手の期待に100%応えることができないと感じたら、すぐに距離をとって離れていこうとする傾向もあります。自分自身に厳しく完璧主義者であることが原因だと言えるでしょう。
自分軽視の人間嫌い
完璧主義者の方ほど、自分に厳しくなるもの。中にはどんどんと自分を追い詰めて自分の存在を軽視し始める方もいます。こんなにダメな自分と話したい人なんていない、相手もきっと面白くないと感じてしまうだろうと思い込み、人との距離を離していってしまいます。自分の価値が下がれば下がるほど、人間嫌いは加速していくことがありますので、必要以上に自分を軽視しないことが大切です。
自分の時間を大切にしたい
人と会う約束を煩わしく思うことが増えると、自分は人間嫌いなのではないかと思ってしまいがちです。しかし、本当の意味で人間嫌いというわけではありません。このタイプの方は、自分の時間を大切にしたいタイプなのです。人のタイプは大きく分けて2つに分けられます。ひとつは、たくさんの人と会うことで楽しいエネルギーを補充し、さまざまな原動力にする人。 もうひとつは、ひとりの時間を大切にすることで、エネルギーを補充し、原動力にする人です。前者の場合、社交的でたくさんの人とワイワイ楽しく過ごすことに喜びを感じますが、後者の場合は、ひとりの時間に幸福を感じます。どちらが優れているというわけではなく、タイプが単に違うだけです。ひとりの時間を楽しむ方も、時には外でワイワイ騒ぐこともあります。しかし、自分の時間を削り、人と会ってばかりいると疲れてしまうのです。
ひとりの時間と、みんなの時間
ひとりの時間を大切にすることで、エネルギーを補充するタイプの人は、一見人間嫌いのように見えますが、そうではありません。たくさんの人と会う約束が増えることで、窮屈感を感じているだけなのです。ひとりの時間を削ることがストレスになるため、人との約束を最小限にしようとします。 しかしそれは、その人なりのリズムなので、無理して人間嫌いを克服しようと約束を増やす必要はありません。自分らしい時間を大切にしなければ、人との関係も長続きしないでしょう。
タイプが異なる場合
たくさんの人に会うことでエネルギーを補充する人と、ひとりの時間を大切にすることでエネルギーを補充する人が付き合う場合、お互いの時間の過ごし方をきちんと理解し合うことが大切です。友人であれ、恋人であれ、時間の過ごし方は人それぞれ違います。自分の過ごし方と違うからといって、無理に合わせようとしないようにしましょう。 友達と一緒に合う約束を断ったからといって、付き合いが悪いと判断するのではなく、今はひとりの時間が必要なのだなと理解することが大切です。また、頻繁に遊びに誘ってくる人に対しても、煩わしいと判断するのではなく、自分とはリズムが違うけれど、何回かに1回くらいは誘いに乗ってみようと考えることが大切です。タイプが異なるからこそ、お互いの歩み寄りが必要になります。
人間嫌いでも恋愛できる
人間嫌いに陥っていた方でも、友人を作ったり、恋愛したりすることはできます。それは、同じタイプの人と巡り合うということです。ひとりの時間を大切にするタイプの方となら、うまく付き合い続けることができるでしょう。無理やり外へ連れ出そうとせず、お互いの会いたいときに都合を合わせようとするため、ストレス無く距離を縮めていくことができます。 また、同じ空間にいてもそれぞれ読書を楽しんだりすることができれば、人と一緒にいても煩わしさを感じることがなくなるでしょう。今まで恋愛がうまくいかず、人間嫌いだと思い始めている方も、単にタイプが違うだけだったのかもしれません。
タイプの見極め方
人間嫌いだと思い込んでいた方も、同じタイプの方と巡り会えれば、無理をすることなく一緒に過ごすことができます。では、ひとりの時間を大切にするタイプの方は、どのようにして見極めていけば良いのでしょうか。 簡単な方法としては、休日の過ごし方について訪ねてみましょう。基本的に一人で家にいるという方や、飲み会は滅多に行かない、メールの返信が遅れがちになるなど、いくつかの共通点を見つけることができます。自分と同じタイプだとわかれば、相手も受け入れやすくなるでしょう。
まとめ
このように、人間嫌いについてご紹介しました。人間嫌いになる過程は人それぞれ違いがあります。深い傷を負った人もいれば、ひとりの時間がなければエネルギーが持たないタイプの方もいらっしゃいます。 しかし、無理やり人間嫌いを直そうと頑張りすぎず、自分らしく視野を広げていくことが大切です。人との付き合い方のバランスを掴むことができれば、きっと人間嫌いとは思わなくなる日が来るでしょう。