会社では誰もが気持ちよく働き続けたいもの。しかし、嫌がらせやなどで不愉快な想いを抱えながら仕事をしている人たちがいます。
同じ立場の同僚なら、解決しやすいものの、相手が上司や立場が上の人だと、そう簡単に反論することはできません。
上司など強い立場にある人からの嫌がらせは、パワーハラスメントと呼ばれ、パワハラと略されるほど認識は広まっています。つらい気持ちを抱えたまま、深刻な事態にならないよう、パワハラ対策を徹底していきましょう。
パワハラとは
パワハラ対策するためには、パワハラが何であるのか、きちんと理解しておく必要があります。パワハラは、基本的には被害者が精神的な苦痛を感じた地点で成立されます。
まずは、パワハラにはどんなことが当てはまるのか、具体例も交えながらみていきましょう。
わかりやすいパワハラ
パワハラにも様々な種類がありますが、まずはわかりやすいパワハラからみていきましょう。
まず、他の人と比べて明らかに冷たい態度を取ったり、必要以上に威圧的な態度を示したりしてくる、大声で怒鳴りつけてくる場合などは、明らかにパワハラをしていると言えます。
周囲の人たちもパワハラしていると認識しやすいことから、相談すれば味方になってくれる可能性が高いと言えるでしょう。
わかりにくいパワハラ
周囲の人たちも認識しやすいパワハラもあれば、周囲の人たちが気づきにくいパワハラもあります。この場合、1対1で行われるケースや、さりげない嫌がらせが主流となります。
例えば、仕事の割り振りにおいて、自分だけ毎回辛い仕事を課せられたり、残業や過剰労働を強いられたりする場合もあります。
また、周囲から孤立するように根拠のない噂を広められたり、必要以上にコミュニケーションを拒否したりしてくる。また休日や深夜でも関係なく電話やメールを送ってきて、返信がなければ怒るということもあります。周囲が気づきにくいからこそ、自らパワハラ対策を積極的に行っていかなくてはなりません。
自覚しづらいパワハラ
パワハラは、わかりやすい行為であればそれなりの対処ができます。しかし、中には周囲はおろか自分ですらパワハラの存在に気づかないということもあるのです。
例えば、毎回提出する企画書が何度も却下されて過小評価されていた場合、仕事に厳しい上司だと思っていたら自分だけそのような態度をとっていたということが後からわかったというケース。また、体調不良や有給など休みの申請を断られた時も、その時は会社が忙しいと思っていたのに、実際に出社すると人員が余る程暇だったというケースもあります。
一見、パワハラとは思えない行為だからこそ、自覚しづらいことですが、違和感があったらすぐにパワハラ対策を実行していかなくてはなりません。
パワハラ対策について
パワハラとはどのような行為を指すのか、理解できたなら、次はパワハラ対策を実行していきましょう。
パワハラは放置するとどんどんエスカーレートしてしまうこともあるため、早めのパワハラ対策が重要になります。
パワハラ対策にはどのようなものが効果的なのか、ひとつひとつ見ていきましょう。
証拠の確保
パワハラ対策の基本として、まず重要なのが証拠の確保です。パワハラは立証が難しい部分があるため、相談しても「気のせいでは?」「考えすぎでは?」と捉えられがちです。
相談する上で事態の深刻さを説明するためにも、パワハラの事実はきちんと証拠をとっておきましょう。
最近では小型で性能の良い録音機も増えていますし、会話を紙に書いたり、メールのやり取りを保存したりしておいてプリントしておくと良いでしょう。
訴訟などを起こす場合も、証拠はたくさんあればあるほど有利になるので、まずはパワハラの証拠集めから始めていきましょう。
相談相手は
パワハラ対策として、次に必要となってくるのが相談する相手です。しかし、誰でも相談して良いというわけではありません。
例えば、同僚に相談しても相手が上司なら、根本的に解決する方法を見いだせなくなってしまいます。
また、上司のパワハラが自分に向かう可能性があるため、相談に乗るのも消極的になってしまうでしょう。パワハラの相談には、パワハラをしている人の上司が最適です。
課長からパワハラを受けているのなら、部長や専務などさらに上の立場の人に相談するのが賢明です。
部署に相談
パワハラ対策として、相談相手の選び方をご紹介しましたが、特定の人物ではなく部署に相談することも可能です。
例えば、会社の人事部にパワハラの事実と対策について相談することで、より良い解決策を見出してくれるでしょう。
自らほかの部署に移動することもできるので、苦手な上司と距離を置いて仕事を続けることができます。
また、パワハラの事実が深刻なら、人事部から適切な辞令が出されるはずでしょう。減給、部署異動、場合によっては解雇という場合もあるのです。
会社以外の人に相談
パワハラ対策として誰かに相談したいと思っていても、同じ会社の人たちに知られてしまうのは嫌だ。また他の人を信用できなくなっている
という場合もあるでしょう。そんなときは、労働基準監督署へ相談してみてください。労働基準監督署なら、法令に則り適切に対処してもらうことができます。
会社に対しての指導においても、特定の人物とわからないよう被害者の名前を非公開にして対処してくれるので安心です。また、訴訟においても強力にサポートしてくれるので安心でしょう。
パワハラされないために
パワハラ対策として、事態が申告になる前に相談相手を見つけることをご紹介しました。パワハラされてしまったら、すぐに相談すべきですが、それ以前の対策としてパワハラされない対策も必要です。パワハラを受けにくい人になるためにも、さまざまなことに注意していきましょう。
我慢しない
まず、じっと一人で我慢するタイプの方は、パワハラを受けやすいので要注意です。注意しても反論せず、大人しく耐えている姿を見て、相手はもっと言っても大丈夫だと勘違いし始めてしまいます。
そして、何を言っても大丈夫だとどんどんパワハラはエスカレートしていってしまうでしょう。そうならないためにも、反論ではない適度な切り返しが重要になります。
オウム返しで鏡になろう
パワハラをエスカレートさせないためにも、相手が言った言葉をオウム返しにしてみてください。
「役たたずで、給料泥棒だ!」と言われれば、「役たたずで、給料泥棒だ!なんですか?」と返しましょう。
相手の言葉をそのままオウム返しにすることで、どのような言葉を自分が放っているのか、自覚しやすくなるからです。反論ほど攻撃的ではなく、相手にパワハラの自覚を与えやすいため、対策としては効果的だと言えます。
意見は大人数がいる環境で
パワハラ対策として、オウム返しをしたり意見を言ったりする時は、周囲にできるだけ多くの人がいる状態を選びましょう。
1対1では、誰も証人にはなってくれませんが、大人数がいる環境なら見方が増えていきます。孤独な環境になればなるほど、パワハラはエスカレートしやすくなるので、1人の時間をできるだけ少なくすることも大切です。
まとめ
パワハラ対策について幅広くご紹介しました。基本的には証拠を集め、しかるべき人に相談するようにしましょう。パワハラは自分ひとりで抱えてしまうと、どんどん深刻な事態に陥ってしまいます。疲れきってしまう前に、まずはきちんと対策し、第三者に助けを求めて一刻も早くパワハラの環境から脱していきましょう。